内山章子さんを迎えて(2018.7.22)


7月22日。内山章子さんを迎えての特別講座。
章子さんの講話は、涼風が吹き渡るように爽やかだった。
母上からの「あなたは一人で生まれてきたのだから、一人で生きて一人で死になさい」という仮借ない教えの言葉を
受け止めたのは5歳の時だったという。
祖父である後藤新平氏の家訓「自治三訣」と共に、「その通りに生きてきたから極楽蜻蛉なのよ」と笑う。
深さゆえに厳しい母親の愛と、父親・鶴見祐輔氏の優しさに包まれ、兄姉の俊輔氏、和子氏とはまるで違う道を歩いてこられた90年の人生を、
「導かれて歩かせていただいた」と語るまなざしには一切の曇りがない。
90歳の今、学ぶことの面白さを謳歌しておられる。


「きゃって声をあげるほど面白い本なの」
紹介してくださる本には、厚さが倍にも膨らむほどの付箋。同じ個所を何度もマーキングした跡。そして抜き書き。
「姉の読み方と同じ。でも、姉は抜き書きはしなかったわね」
きっぱりとした、限りなくあたたかな空気に魅せられて、講話のあとの茶話会が終わっても誰も動こうとしない。
次回を期してようやく解散となった。


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